ワンちゃんのワクチン接種について

 

犬のワクチンには、法律で接種が義務付けられているもの(狂犬病ワクチン)と、感染症から大切なワンちゃんを守るため飼い主様が任意で接種するもの(混合ワクチン)の2種類があります。

混合ワクチンは更に≪コアワクチン≫と≪ノンコアワクチン≫に分けられます

 

≪コアワクチン≫

ワンちゃんの生活環境にかかわらず、全ての犬が接種すべきと考えられているワクチンです。これらのワクチンで予防できる感染症は世界中で発生が認められていて、感染すると重篤な症状が出ます。コアワクチンに含まれる感染症は、以下の5種類です。

狂犬病
ジステンパーウイルス感染症
パルボウイルス感染症
犬伝染性肝炎(アデノウイルスⅠ型)
犬伝染性喉頭気管炎(アデノウイルスⅡ型)
 

≪ノンコアワクチン≫

ワンちゃんの住んでいる地域や生活スタイルによって感染する危険性が高い場合には接種することが望ましいワクチンで、代表的なものにレプトスピラ感染症(人畜共通感染症で人にも感染します)があります。レプトスピラ感染症は現在、泉州地域の野生化したアライグマ間での感染が確認されており、また近年の集中豪雨による汚染された水源からも感染がみられることから、ワクチンの必要性が見直されています。

 

当院で接種可能なワクチン:

コアワクチンのみ(5種混合ワクチン・6種混合ワクチン)

コアワクチン+ノンコアワクチン(7種混合ワクチン・10種混合ワクチン)

ノンコアワクチン(レプトスピラ感染症ワクチン)

                                 

ワクチンの追加接種について

 

飼い主様から、ワクチンは毎年、追加接種する必要があるのか?とご質問いただくことがよくあります。

ワクチンを毎年、追加接種することに関しては、議論があるところですが、WSAVA(世界小動物獣医師会)のワクチネーションガイドラインでは、子犬の時期に適切な間隔・適切な時期で混合ワクチンを接種している場合に限り、コアワクチンは3年毎、ノンコアワクチンは毎年の接種が推奨されています。

ただし、ワンちゃんによってワクチンの効果が持続する期間が異なるので、ワクチンを接種するかわりに、毎年コアワクチンの効果が残っているか検査することが望ましいです。

つまり、『毎年ワクチンを接種するか』、『血液検査でワクチンの効果を調べて(抗体チェック)、効果が無くなっている場合には接種するか』の選択肢があります。

当院では院内でコアワクチンの抗体チェックを行える検査キットをご用意しておりますので、スタッフにご相談ください。災害大国である日本では、いつなんどき同行避難先や収容先で大勢のワンちゃんと一緒になる機会があるかも知れません。接種後のアレルギー反応などワクチン接種は100%安全とは言えませんが、大切なワンちゃんの感染予防として、当院ではきちんとしたワクチン接種をお勧めしています。

 

 

大下動物病院